日本の伝統美 匠の作る"能勢菊炭"
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能勢菊炭の産地

池田炭とは大阪府池田市東北方、妙見山麓一帯から生産されるクヌギ黒炭で、吉川、止々呂美、一庫、国崎、黒川などが主な産地である。
能勢・妙見山麓には良質の粘土が出るので、土がまが作りやすく、また、クヌギ林が多いので、優良のクヌギ黒炭をやきやすい。
素性のよい炭を得るには素性のよい原木が必要である。クヌギの幹がまん丸に生長するためには傾斜がゆるく、肥えた、陽当たりのよい所で生長することが必要で、やせた土地や、蔓や雑木で傷めつけられたクヌギはひねくれて、くせが入り、不均一に生長している。このために良いクヌギ材を得るためには山の手入れも必要で、一般にゆるやかな南傾斜の土地に生育したクヌギが良質である。
※岸本定吉著「炭」より抜粋


能勢菊炭はクヌギ

クヌギは学名 Quercus acutissima Carr. といい、Quercus 属を和名でナラ属という。この属の樹種はクヌギ、ナラ、カシ類などだが、どの樹種も炭にやきやすく、良質の木炭が得られる。その中でもクヌギ炭が最良の木炭である。クヌギは落葉中高木(冬になると葉が落ち、比較的高く育つ木)で、我が国では北海道を除く全国に見られるが、里山に多く、奥山には少ない。
また、クヌギは生長が早く、7〜8年で伐採ができるし、伐採するとヒコバエが出て、これが生長して、7、8年たつと一株から数本の炭材がとれる。薪にしてよく、炭に焼いてもよく、薪炭材としては最高の樹種で、昔からこの木は全国に植えられていた。クヌギの葉は冬は枯れても木につくものが多く、これが木枯らしに吹き落されてカラコロと舞い散る。
昭和34年、このころは戦後わがくに炭焼きの全盛期であったが、そのころ我が国のクヌギ炭の生産量は59,500トンであった。だが、昭和47年には当時の10%以下、約5,000トンに低下してしまった。
※岸本定吉著「炭」より抜粋


池田窯

池田炭を焼く窯は一般の黒炭窯とちがったタイプの炭窯である。特徴は円型で、天井が高く、窯底が前下がりで、窯の上に屋根を作らない。池田方面は粘土が炭窯に適し、耐火性の高い丈夫な天井が得られやすいので、窯の天井に屋根を作らない。池田窯は、窯腰が高いこと、窯底が前下がりのことなど、古い型式の炭窯である。このような窯でもクヌギは炭に焼けるが、ナラ、その他雑木を焼くと容易に炭にはならない。未炭化の木炭、煙が出る木炭ができやすい。クヌギは熱分解しやすい木で、容易に炭になりやすい炭材だから、こんな腰高のしかも天井の高い窯でもよいが、ナラや雑木を焼くところではこのような窯は使えない。
また池田地方は粘土が炭窯に適し、耐火性の高い、丈夫な天井が得られやすいので、窯の天井に屋根を作らないが、、一般に土で作った天井を持つ炭窯は、窯の上に屋根を作らないと雨が降ったとき天井に雨が滲み込み、軟らかくなって天井は落ちてしまう。土の天井であるのに、屋根を作らない黒炭窯は、池田窯ぐらいである。
このような炭窯のつくれる場所は、よほど炭窯づくりの条件に恵まれたところで、池田市付近は良質のクヌギ炭材があり、窯土にも恵まれている。
※岸本定吉著「炭」より抜粋


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