日本の伝統美 匠の作る"能勢菊炭"
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お茶席(茶道)心得

茶道は、単にお点前を習うだけではなく精神修行の場でもあります。常に自分を戒める心が必要です。無駄な動きが一切なく、すべてが合理的に省略されている。 一連の動きは、まさに美しいと感じます。
利休居士のいう茶の湯とは…「小座敷の茶の湯は第一に仏法をもって修行し悟りに至る道のことである。………家は雨が漏らず、食べ物は飢えない程度にあればこと足りるというのが、仏の教えであり、茶の湯の本意である。ただ、水を運び、薪をとり湯をわかし、茶を点てて、仏に供えるとともに、他人にも茶を供し、自分も服す。花を生け、香をたく。こうしたことはすべて仏教の 修行であり、それを学ぶことである。………」
※「南方録」より抜粋
稽古の席掟として、まず第一に、礼儀を重んじること。着座運びは姿勢正しく呼吸を整えて。他流の話や雑談をしてはいけない。菓子盆、火鉢等の取り扱いは入念に行なう。水屋、点前作法は丁寧にし、後片付けはしっかりと行なう。


お茶席のマナー

遅刻厳禁
茶会には、遅刻をしないことがマナーです。招かれたときには、定刻の15分くらい前に伺うようにします。茶事は全員が揃ってから始まり、亭主と客の息が合ってこそ時間内に終わります。一人でも遅刻をすると、亭主にも相客にお迷惑をかけることになります。門前に打ち水がしてあれば用意ができている、という合図ですから、寄付や待合に通って身支度を整えます。時間の余裕があれば、ゆったりとした気分で茶会にのぞむことができます。朝早い茶会の場合には、早く着きすぎてしまうと、亭主側の準備が整っていないこともあります。早く着くことが大事なのではなく、亭主、客ともども気持ちよく過ごせるような 気遣いが大切です。

足袋は履き替えて
茶事では、畳の上に道具類をじかに置きます。畳を清潔に保つためにも、足袋を履き替えるようにします。洋服の場合でも、必ず白いソックスを履くようにします。寄付で道中に汚れた足袋を履き替え、替足袋入れにおさめます。最近では、足袋カバーというものがあり、道中の汚れを防ぐことができます。大寄せの茶会や立礼の茶会の場合、寄付が混雑していますから、足袋カバーを利用しても良いです。ただ、正式なお茶会の場合には、やはり替足袋を持参し、履き替えるようにします。

ハンカチは必ず2枚
手洗い用と、つくばいで使用するものと、最低2枚を用意します。右袖には手洗い用のハンカチを、左袖にはつくばい用のハンカチを入れると、いざというときすぐに取り出せます。懐石をいただく場合には、これとは別に大判のハンカチを用意し、着物や帯が汚れないようにします。

動きやすい着付け
茶室という狭い空間の中で動くわけですから、その動作を考えて着付けをします。座るときに、着物の上前が開いてこないよう、上前幅を広めに着付けます。裾の長さも、草履にかかるほど長くしてしまうと、立つ際に踏んでしまうことがあります。短くしすぎてしまうと足首が見えてしまい、気持ちのよくないものです。床より1cm程度上がる位が良いでしょう。

足袋は4枚こはぜ
茶会では正座で座ることがほとんどですから、4枚こはぜの足袋が良いです。5枚こはぜの足袋は、立っているときには形がよいのですが、座ると足首が締まって痛くなってしまいます。目のつまった、しっかりした木綿生地のものが良く、少々きつい位のサイズで足にぴったりとさせるときれいに見えます。

洋服の場合は…
茶会にはできる限りきもので伺いたいものですが、理由があって洋服で伺う場合は注意が必要です。まず、ストッキングや素足のままという状態では茶室には入れません。白いソックスを持参し寄付で履きます。また、扇子や懐紙などを入れる場所がありませんから、 懐紙入れや数奇屋袋を手に持って入ることになります。このとき、扇子を袋に入れてしまうと取り出しにくいので、扇子は手に持ったままがよいです。茶室の中では、数奇屋袋・扇子を自分の後ろの壁側へつけて置きます。脇に置くとお道具の拝見の際などに邪魔になります。座る位置ですが、着物の方を上の席に譲り、洋服の方はお詰めに近い末席に座ることが多いようです。お詰めは着物の方がふさわしいので、末席といってもお詰めには座らないようにします。


お茶席の必需品

茶券・のし袋
お茶券とよび大寄せの会では必需品です。茶会の催されるよりはやく、前売りとして用意しておくのが一般的です。また、お茶券のない月例茶会や小寄せの茶会では、お茶代をのし袋に納めて持参します。のし袋に入れるお札は新札を用意します。

扇子
知人・知り合い、正客への挨拶、茶室に入るときや床の間の拝見に必要です。塗りの扇子が一般的ですが、あえて白木の扇子を用いる茶会もあります。

袱紗
流派によって色や柄が決まっているそうですが、主に女性は朱、紅のもの。男性は紫を用います。お稽古用とは異なる汚れのない袱紗をお茶会用として用意しておきます。

古袱紗
流派によって色・柄・大きさが決まっているので、定めによって持参します。古袱紗にお茶碗を乗せていただく場合もありますので、硬いものよりもやわらかいものが良いです。

懐紙
お茶会には新しい一帖をおろし、蝋引きのないものが一般的です。無地以外にも、模様や透かしの入った懐紙を用いても良いです。紅白の祝儀懐紙はおめでたい茶会に限って使用します。

楊枝・黒文字
お菓子をいただく際に必要となります。懐紙の間にはさんでおき、すぐに取り出せるようにしておきます。

ハンカチ2枚
白の薄い木綿や麻のもので清潔なものを2枚用意しておきます。

金物入れ
指輪、腕時計などの貴金属は、お茶室に入る前にはずしますので、小さな袋を用意しておくと安心です。

メモ用紙・鉛筆
茶会の内容をメモするために準備します。軸や、軸の作者、花入れ、季節の花などの茶会記が配られる場合もありますが、自分で用意しておくと良いでしょう。

財布
普段使いの大きなものではなく、薄く小さなものが便利です。貴重品は出来る限り身につけておきたいので、帯の間にはさみこむと良いでしょう。

風呂敷
受付で必要になります。コートや荷物など、茶室には持って入れないものをひとつにまとめます。ビニール製の袋でも可能です。小さくたためてバッグに入るものが便利です。

履物の目印
同じような草履が並ぶので、目印をつけておく必要があります。名前をかいた紙を洗濯バサミで留めたり、最近では、目印用の飾りのついたものが売られています。


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