日本の伝統美 匠の作る"能勢菊炭"
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炭の種類

炭は白炭(しろずみ)と黒炭(くろずみ)の二つに大別することができる。
木炭は炭焼き窯の中で木を蒸し焼きにして作るが、その際の消化方法の違い、窯外消化か窯内消化かによって、白炭か黒炭かに分かれるのである。
窯の中で高温に熱せられ、ほぼ炭化した段階で、窯口を少しずつあけて空気を流入させ、不純物を一気に燃やし尽くす。この「ねらし」と呼ばれる作業の後、その火のついた状態のまま窯口から外に出し、灰などをかけて消化し、冷めるのを待つ。これが窯外消化法。この方法でつくられるのが「白炭」である。
最高級の燃料炭である「紀州備長炭」をはじめ「土佐備長炭」や「日向備長炭」などの備長炭は白炭である。また東北から新潟にかけての日本海側や、関東西部の奥多摩・奥秩父に連なる山地も、石で作った窯を用いた白炭の産地である。
一方、炭化が終了した頃に、窯口や煙道口を土などで密封し、人が入れる程度に冷めてから窯の中に入って炭を取り出す。これを窯内消化法といい、こうしてつくられるのが「黒炭」である。この製法の際は、ほとんど「ねらし」をかけない。お茶席で用いられる炭はクヌギの黒炭であり、また、最大生産量を誇る岩手県でもほとんどが黒炭である。
このように製法の違いが白炭か黒炭かの違いを生むのである。決して、炭材の種類の違いではない。
白炭の代表、紀州備長炭はその炭材のほとんどがウバメガシという木であるが、伊豆地方では、そのウバメガシで黒炭を焼いている。

ウバメガシを炭材にする最高級白炭の紀州備長炭
クヌギを炭材とし、茶の湯に用いる最高級黒炭の池田炭
岩手のナラ黒炭、秋田のナラ白炭など…

※三宅岳著「炭焼紀行」より抜粋

黒炭(くろずみ)とは…
400〜700度で炭化が終了した段階で、窯全体を石や粘土で密閉し、自然に窯の火が消えて、完全に冷えてから焼き上がった炭を出します。
このため、白炭のように灰がつかず、表面が黒いままで完成となります。黒炭は世界中で多く生産されていますが、日本の黒炭は、生の木をゆっくりと炭化させるため良質の木炭となります。
黒炭には炭化した樹皮がついていて色も黒、割れ目が多いのが特徴です。黒炭は白炭に比べて炭質がやわらかく、火つきがよく、立ち消えも少なめ。古くから金属の精錬や鍛冶に使われ、なかでも茶道には欠かせません。

白炭 (はくたん・しろずみ)とは…
白炭は炭焼きの仕上げ段階で窯口から空気を徐々に送り窯内を1000℃の高温にします。そうして白熱した木炭を窯外に引き出し、灰と土を混ぜて湿気を含ませた消粉をかぶせ、すばやく冷却したものです。
白炭は高温で均一に炭化するため硬く、叩くと金属音がします。火力が強く、火持ちがよいのが特徴です。また樹皮がほとんど焼け落ち、表面に灰がついて白っぽいので白炭と呼ばれます。


代表的な炭の種類と特徴

備長炭
ウバメガシを原木とした硬度15度以上の白炭の代表格。語源は江戸時代、紀州の商人、備中屋長左ェ衛門が考案、販売したことによる。火持ちが長く、温度の調整がしやすいので高級調理用に向いている。また固く粉が出にくく、木炭の科学的特性を生かして、健康、浄化、調湿等にも使用される。
紀州備長炭 土佐備長炭 日向備長炭

池田炭・能勢菊炭
クヌギを焼いた茶道用で有名な黒炭の最高級品。着火性が良く、火力があり、切り口が菊の花のように均一に割れ目があり、気品を備えて美しい。
椚(くぬぎ)炭で沸かした湯はソフトで口当たりが良く、風情も加わり、心身ともに暖まる。火がつきやすく、火力も良く、ニオイも少ないため、火鉢用、暖房用、調理用にも最適。
池田炭 能勢菊炭

楢(なら)炭
黒炭で一番ポピュラーな炭で、一般に炭といえばこの楢炭をさすことが多い。
昔は一般的な暖としてこのなら炭を使っていた。現在ではバーベキューなどには最適な炭。原木にナラ材を使う。
火付きがよく、万人に使いやすい炭である。

オガ炭
オガクズを粘結剤を使わず固め、白炭と同様に高温で焼いた、中心に穴のあいた造形炭。備長炭より火着きは良く、くぬぎ炭より火持ちは良い。
現在では改良が続けられ、価格が安く、機能的には白炭に近くなり、業務用料理などに多く使われている。

竹炭
竹炭は、木炭に比べると孔の数は2倍以上で、その吸着力は10倍以上あると言われています。また、カルシウムやカリウム・ナトリウム・鉄分などの天然ミネラルが豊富で、それらが、水に溶けやすい形で含まれているため、細胞の活性化などに作用しやすいという特徴があります。
使い方は木炭と同じで、消臭・除湿・空気清浄・湿度調整・遠赤外線効果・イオン効果・電磁波防止などに効果を発揮します。


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